腹部エコーとは
超音波は高い周波数の音波で、人間の耳には聞こえません。腹部に向けてこの超音波を装置から発信し、対象臓器から跳ね返ってくるエコー(反射波)を再び装置で受信し、コンピュータ処理をして電気信号に変え、モニターに画像として映し出します。このモニター画像によって各種疾患の診断をするのが、腹部エコーです。臓器の様子や位置・動きなどがリアルタイムで観察できます。
腹部エコーはX線を用いないため放射線被爆の心配が無く、安全です。被検者の苦痛もありません。
腹部エコーでわかること
主に肝臓・胆のう・膵臓・腎臓の腫瘍、ポリープ、結石、炎症などの異常が発見できます。組織の組成には、それぞれ基本的なパターンがあるのですが、腫瘍、ポリープ、結石、炎症などでは周囲の正常組織と組成が異なるため、超音波画像で見ると正常組織との境界にコントラストが生じます。このコントラストを見れば、異常がわかるのです。腫瘍ではその大きさだけでなく、深達度(どのくらい深いところまで達しているか)なども調べられます。
腹部エコーの行い方
検査台に仰向けに寝ます。両手を頭の方に上げて手枕をした姿勢をとり、腹部を十分に広く出します。お腹の皮膚と音波を出す探触子(プローブ)との間に空気が入らないようにするため、腹部にゼリーを塗ります。プローブを腹部に押し当て、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓など、お腹の中の臓器の画像をモニターで観察します。
異常があるときに疑われる病気
- 脂肪肝
- 肝硬変
- 肝のう胞
- 肝血管腫
- 肝臓がん
- 胆石
- 胆のうポリープ
- 胆のうがん
- 胆管がん
- 膵炎
- 膵臓がん
- 腎のう胞
- 腎結石
- 水腎症
- 腎臓がん
- 腹水
- 腹部大動脈瘤 など